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No.147 June 28, 2018
 
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山東泰山
 
目 録
ニュース
中国国家知識産権局が地理的表示産品の保護に関する初の公告を公表
「中国人工知能発展報告書2018」を発表
中国国家版権局など4つの部・委員会が「剣網2018」特別活動を開始
「中国法治建設年度報告書(2017)」を公表
注目判決
「オートバイ(小型)」の意匠権侵害に関する紛争事件
「製品品質偽造防止トレーサビリティシステムおよびトレーサビリティによる偽造防止方法」に関する特許権侵害事件
集佳の最新動向
2018年AIPPI中国分会の知的財産権青年シンポジウムに集佳が参加
 
 
ニュース

 
中国国家知識産権局が地理的表示産品の保護に関する初の公告を公表

 

   中国国家知識産権局はこのほど、21の製品を地理的表示保護の対象製品として認可し、88社の企業が地理的表示産品の専用マークを使用し地理的表示産品として登録し、保護を受けることを許可する公告を行った。

   公告によれば、今回認可された「畢克斉ネギ」、「鉄嶺米」など21の登録された地理的表示産品は、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒竜江省、江西省、湖南省、広西チワン族自治区、貴州省、陝西省などの原産地特定の地理的表示行政部門が方式審査を行って推薦したものである。公告によれば、山西梁汾醋業有限公司など88社の企業が、自社製山西老陳醋などの地理的表示産品に登録した地理的表示産品専用マークを使用し地理的表示産品としての保護を受けることが許可された。

   中国ではこれまでに累計2,380の地理的表示産品が登録されており、そのうち国内製品が2,319、外国製品が61となっている。また、累計8,179社の企業に専用マークの使用を許可している。国務院の「国務院機構改革にかかわる行政機関の行政法規に定められた職責調整の問題に関する決定」文書の趣旨に基づき、再編後の国家知識産権局は、地理的表示産品の登録申請の受理、認可および専用マークの許可などの業務を担当する。中国国家知識産権局は専門家による地理的表示産品の登録申請における技術的審査の責任を負い、審査に合格すれば地理的表示産品として認可する。地理的表示産品の産地範囲内の生産者は、地方の原産地地理的表示行政部門に「地理的表示産品専用マーク」の使用に関する申請を行うことができ、地方の原産地地理的表示行政部門の審査を経て、国家知識産権局に届け出て、許可された後に公告される。(出所:国家知識産権局ウェブサイト)

 
「中国人工知能発展報告書2018」を発表

 

  清華大学科学技術政策研究センターはこのほど、「中国人工知能発展報告書2018」を発表した。「報告書」によれば、中国は人工知能(AI)関連の特許ポートフォリオが世界最多となっており、件数でアメリカおよび日本を若干リードし、これら3か国で世界の特許出願公開件数の74%を占めている。

  「報告書」によれば、2017年、中国のAI関連の市場規模は237億元に達し、前年同期比67%増、AI関連企業数はアメリカの2,028社に次ぐ1,011社となり、特許出願では、中国はすでにAI関連の特許ポートフォリオが世界最多となっており、件数ではアメリカおよび日本を若干リードし、中・米・日の3か国で世界の特許出願公開件数の74%を占めている。主な出願人は、AI関連分野の特許出願件数ではIBM、マイクロソフト、サムスンが世界のトップ3となっており、中国国家電網公司がこの5年のAI関連技術の急速な発展により、出願件数世界4位を占めている。また、中国のAI関連特許保有件数の上位30機関では、研究機関が52%、大学・企業が48%と拮抗している。「報告書」ではまた、外国のトップ企業と比較すると、中国の企業は特許出願において国内の高等教育機関および研究機関に後れを取っており、バイドゥ、アリババ、テンセントといったIT大手といっても、AI関連分野の特許および論文数はいずれもIBM、マイクロソフト、サムスン、グーグルなどの外国企業に後れを取っていることが指摘されている。論文については、中国は真にオリジナリティのある、画期的で象徴的な研究成果、特に基礎研究の成果に乏しい。  (出所:中国知識産権報)

 
中国国家版権局など4つの部・委員会が「剣網2018」特別活動を開始

 

  中国国家版権局、国家インターネット情報弁公室、工業・情報化部、公安部はこのほど共同で報道機関向けのブリーフィングを開催し、インターネットにおける海賊版を取り締まる「剣網2018」特別活動の開始に関する状況を報告した。

  今回の特別活動は7月上旬から始まり、4か月余りの期間で3つの重点的な取締りを行う。1つ目に、インターネット上の著作物転載に関する特別取締りを実施する。現在のインターネットメディア、特に微博(Weibo)、微信(Wechat)パブリックアカウント、頭条(Toutiao)アカウントなど「個人メディア」による権利侵害について、ニュースや作品を無断で転載する権利侵害行為およびニュースや作品を無断で抜粋、再編成し、歪曲、改ざんする権利侵害行為を重点的に取り締まり、個人メディアが「原稿洗浄」の方法で実施するオリジナル作品の盗用・剽窃、改ざん・削除の権利侵害行為を断固として撲滅し、検索エンジン、ブラウザ、アプリストア、微博、微信などがかかわるインターネット上の転載行為の規制に力を入れる。2つ目に、ショートビデオの著作権に関する特別取締りを実施する。3つ目に、重点分野の著作権に関する特別取締りを実施する。(出所:人民日報)

 
「中国法治建設年度報告書(2017)」を公表

 

  中国法学会の企画・作成による「中国法治建設年度報告書(2017)」がこのほど発表された。同報告は、法による行政、司法体制改革、知的財産権保護などの面から、2017年における中国の社会主義法治確立のための実践の成果を体系的・全面的に反映するものである。中国の法治推進に関する年度報告はこれで10年連続となる。

  同報告の指摘によれば、2017年、中国は引き続き全面的な法による国家統治を堅持し、法治を進める各分野において新たな成果および進展があった。同報告の「知的財産権の保護に関して」の章では、2017年は中国が国の知的財産権戦略を踏み込んで実施し、知的財産権強国の建設を加速させる上で鍵となる年であったことが指摘されている。各地域および各部門が中国共産党中央委員会、国務院の計画を真摯に実行したことで、知的財産権保護に関する諸業務に好ましい進展がみられた。

  報告によれば、専利(特許・実用新案・意匠を含む――訳注)の審査・登録に関して、2017年の中国の専利出願件数は369万8,000件で、前年同期比6.7%増となった。そのうち、特許の出願件数は138万2,000件、実用新案の出願件数は168万7,000件、意匠の出願件数は62万9,000件であった。2017年の中国の商標登録出願受理件数は前年同期比55.7%増の574万8,200件となった。商標登録の年間審査件数は同36.7%増の425万2,000件であった。2017年の中国の著作権登録総件数は同36.9%増の274万7,000件で、そのうち、著作物の登録は同25.2%増の200万1,000件、コンピュータソフトウェアの著作権登録件数は同82.8%増の74万5,000件となっている。

  知的財産権に関する行政法執行に関して、同報告によれば、2017年、中国の専利に関する行政法執行の取扱い件数は前年同期比36.3%増の6万6,649件となった。そのうち、専利紛争事件は同35.0%増の2万8,157件で、特許詐称の調査・処分は同37.2%増の3万8,492件でとなっている。2017年、全国工商・市場監督管理部門は商標の管理監督において計3万130件、総額3億6,545万元に当たる法執行事件を処理し、不正な財産4億7,042万元を押収した。重点的な監督検査の計画・実施により、ソフトウェアの正規化に向けた長期的な仕組みづくりを押し進めた。2017年、国家版権局は共同監督検査グループを編成し、北京市、河北省など10の省(自治区、直轄市)におけるソフトウェア正規化業務を重点的に監督、検査した。また、特別監督検査グループを編成して、遼寧省、吉林省など6つの省(自治区、直轄市)のすべての省級政府機関におけるすべてのソフトウェア正規化業務を対象とした監督検査を実施した。検査対象は年間で計389の組織、コンピュータ2万6,989台で、前年同期比はそれぞれ35.54%、242.94%増となった。各級の政府機関が1年間に調達したオペレーティングシステム、オフィスソフトおよびアンチウイルスソフトは計127万7,000セットで、調達金額は6億1,200万元となっている。(出所:中国知識産権報)

 
 
注目判決

「オートバイ(小型)」の意匠権侵害に関する紛争事件

 

  【事件概要】

  申立人である本田技研工業株式会社は、2014年9月5日、国家知識産権局に「オートバイ(小型)」を名称とする意匠を出願し、2015年2月25日に専利番号ZL201430329219.7として権利を受けた。当該意匠は、申立人が権利侵害紛争の処理を申し立てた時点で、適法かつ有効であった。申立人は、被申立人である上海の某会社が申立人の許可を得ずに、生産経営を目的に本件にかかわる製品の製造、販売の申し出、販売を行い、事件にかかわる申立人の意匠権を侵害したとして、上海市知識産権局に専利権侵害紛争の処理を申し立てた。

  【処理の結果】

  事件の処理において、上海市知識産権局の調査により、被申立人が2016年5月12日に某雑誌にHL100T-5A型式のオートバイの広告を掲載していることが明らかになった。当該広告ではオートバイの左側面および右側面からそれぞれ当該車の外観が示され、ページ紙面には被申立人の文字商標、図形商標および企業名が表示されていた。申立人は2016年11月10日、広州市の公証役場に証拠保全の申立てを行い、公証人は「HL100T-5A」型式のオートバイ1台を購入するとともに、その場で三連式「自動車販売統一発票(領収書)」および当該店舗の販売担当者の名刺1枚を入手した。広州市公証役場は対応する公正証書を発行した。被申立人は明らかにされた上述の事実をすべて認めたものの、当該オートバイの外観にかかわる部品はいずれも他社から調達した製品であり、被申立人は組立てを行った後に販売したに過ぎず、適正な使用の範囲に当たるもので、権利侵害責任を負うべきではないと主張した。

  上海市知識産権局は審理を経て、権利侵害の係争対象物および雑誌広告に明記された内容はいずれも明確に被申立人を指し示したもので、当該製品の部品が自ら生産したか、あるいは第三者から調達したかにかかわらず、均しく被申立人が権利侵害の係争対象物の製造事業者であると認定すべきである旨を判断した。全体観察、総合的判断を経て、本件における意匠のデザインの特徴は、権利侵害の係争対象物にすべて現れており、両者の全体的な視覚効果には差異がないため、両者は同一のものであり、権利侵害の係争対象物は意匠権の保護対象であると認定すべきである。被申立人が専利権者の許可を経ずに、生産経営の目的で本件にかかわる製品の製造、販売の申し出、販売を実施する行為は、申立人の合法的な権益を侵害するものであり、権利侵害行為を停止しなければならない。上海市知識産権局は法に基づき、被申立人が権利侵害の係争対象物を製造、販売の申し出、販売の行為を直ちに停止するとする処理決定を下した。

  【典型的意義】

  この事件において、上海市知識産権局が、外国の専利権者が提起した権利侵害に関する紛争処理の申立てに対し、法に基づき現場検証を行い、本件にかかわる製品の部品の出所を積極的に調査したことは、権利者の権利保護に資するものであり、当事者の合法的な権益を適切に保護し、中国の知的財産権に関する法執行部門が中国内外の専利権者に対し分け隔てなく平等に対応することが示され、中国が知的財産権を厳格に保護しているとという好ましい国際的イメージが大いに向上した。

  (出所:2017年度専利権侵害盗用の典型事例10)

 
 
「製品品質偽造防止トレーサビリティシステムおよびトレーサビリティによる偽造防止方法」に関する特許権侵害事件

 

  【事件概要】

  申立人である北京金源茂豊新技術開発有限公司は、2013年2月25日、国家知識産権局に「製品品質偽造防止トレーサビリティシステムおよびトレーサビリティによる偽造防止方法」を名称とする特許を出願し、2016年8月3日に専利番号ZL201310058356.6として権利を受けた。当該特許は、申立人が権利侵害に関する紛争処理を申し立てた時点で、適法かつ有効であった。申立人は、被申立人である某雑誌社および某酒業会社が申立人の許可を得ずに生産経営の目的で本件特許にかかわる方法を使用した行為が、申立人の特許権を侵害したとして、北京市知識産権局に特許権侵害の紛争処理を申し立てた。

  【処理の結果】

  事件の処理において、申立人は、被申立人である某酒業会社の白酒の購入およびトレーサビリティによる偽造防止の全過程の証拠保全を行ったことを証明する公正証書、ならびに当該酒業会社職員が録画した当該白酒製品の偽造防止ラベルに基づくトレーサビリティによる偽造防止の過程の動画映像を提出した。被申立人である某酒業会社は、締結の日付が本件特許の出願日よりも早く、かつトレーサビリティによる偽造防止技術にかかわる「技術サービス契約書」を提出し、従来技術の抗弁を主張した。

  審理を経て、合議体は次のように判断した。「1.「技術サービス契約書」に基づくだけでは、本件における特許請求項の技術方案と同一であることを確認することはできず、従来技術の抗弁は成立しない。2.申立人が提出した公正証書に基づき、当該酒業会社の職員が録画した動画映像を考慮すると、当該酒業会社が使用している「製品トレーサビリティプラットフォーム」ラベルおよびそのトレーサビリティによる偽造防止の方法は、本件における特許請求項のすべての技術的特徴と同一であり、特許権の保護の対象となる。3.当該酒業会社はその白酒の包装上に偽造防止証明書を使用しているが、当該証明書の具体的なトレーサビリティによる偽造防止の方法は、製品トレーサビリティプラットフォームが技術支援を提供するものであり、当該プラットフォームの運営者は被申立人である某雑誌社である。したがって、某雑誌社と当該酒業会社は共同で権利侵害行為を実施している」。北京市知識産権局は最終的に某雑誌社がウェブサイト上でトレーサビリティによる偽造防止技術を提供したこと、某酒業会社がその製品包装上にトレーサビリティによる偽造防止の方法を使用したことは、特許権の侵害を構成すると認定し、両者に対し特許権侵害行為を直ちに停止するよう命じた。

  【典型的意義】

  現在、酒類製品の品質問題に対する社会の関心は非常に高く、製品品質のトレーサビリティによる偽造防止技術はその機運に乗じて生じ、かつ急速に発展することにより、当該分野における特許権侵害紛争も多発する傾向にある。この事件において、北京市知識産権局は入念で詳細にわたる審理により、事件の事実を明らかにし、法律を的確に理解し適用して処理の決定を速やかに下すことで、市場の公平な競争の秩序を保ち、消費者の合法的な権益も適切に保護した。

  (出所:2017年度専利権侵害盗用典型事例10)

 
 
集佳の最新動向

 
2018年AIPPI中国分会の知的財産権青年シンポジウムに集佳が参加

   AIPPI(国際知的財産保護協会)中国分会の企画による「AIPPI中国分会知的財産権青年シンポジウム」が7月6日~7日、北京市平谷区でつつがなく開催され、北京集佳知識産権代理有限公司から張浩、鄭斌、高源、秦麗麗の4人のパートナーが参加した。シンポジウムには全国トップレベルの知的財産権手続代理機構の特許専門弁理士、商標専門弁理士や知的財産権専門の弁護士が集まり、専利や商標の分野で注目される問題をめぐり熱心で踏み込んだ議論が行われた。

   今回のシンポジウムはこれまでの慣例に従ってすべて英語で行われた。司会者の誘導により、各講演およびディスカッションテーマは整然と進められた。集佳パートナーの鄭斌は長年にわたる特許文書作成の経験を持ち、今回のシンポジウムでは「中国のバイオテクノロジーに関する発明の特許保護が直面する試練とチャンス」をテーマに、最近人気を博した映画「我不是薬神(Dying to Survive)」を切り口として、バイオメディカルにおける特許保護の発展におけるユニークな見解を示すとともに、アメリカFDA(食品医薬品局)の優位性と弊害を詳細に説明し、中国の医療・医薬品改革のプロセスの分析を通じて、中国がアメリカなどの先進国が発展する方向に邁進し始めていると指摘した。

   集佳の渉外紛争の専門家であるパートナーの張浩は、今回のシンポジウムで「知的財産権の権利消尽に関し注目される問題」をめぐり、製品の修理・再生が及ぶ特許権の消尽に関する問題について詳述し、会場ではこれをもとに参加者の熱い討論が繰り広げられた。