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No.171 October.28, 2020
 
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桂林の山水風景
 
目 録
ニュース
新たに改正された「中華人民共和国専利法」が来年6月1日に正式施行
中国とEU両局/庁の特許協力条約の国際調査機関試行プロジェクトに関する共同声明
中国-サウジアラビア特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムが2020年11月1日にスタート
注目判決
集佳が代理を務める聖象集団、同一または類似の商品の保護において初めて馳名商標(日本の著名商標に相当――訳注)の司法認定を獲得
集佳の最新動向
国家知識産権局専利局の初審プロセス管理部の単留兵副部長一行が集佳を視察・指導
集佳シニアパートナーの趙雷弁護士が中国ファッション産業知的財産権大会に招かれ司会を務める
 
 
ニュース

 
新たに改正された「中華人民共和国専利法」が来年6月1日に正式施行

 

  10月17日、第13期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第22回会議では「中華人民共和国専利法」の改正に関する決定が採択された。中国の習近平国家主席は第55号主席令に署名してこれを公布した。新たに改正された専利法は2021年6月1日に正式に施行される。

  今回の専利法改正は主に3つの重点内容からなる。1.専利権者の法的権益の保護を強化すること。これには、専利権侵害に対する賠償額を上げ、故意に権利侵害する行為に対しては1から5倍の懲罰的損害賠償を定め、法定損害賠償額の上限を500万元に引き上げることや、立証責任の改善、行政による専利の保護の充実、信義誠実の原則の追加、専利権の期間補償制度と医薬品特許紛争早期解決手続きに関する条項の追加などが含まれる。2.専利の実施と運用を促進すること。これには、職務発明制度の充実、専利開放許可制度の追加、専利転化に関するサービスの強化などが含まれる。3.専利授権制度を整えること。これには、意匠の保護に関する制度のさらなる充実、新規性の猶予期間を適用する状況の追加、専利権評価報告制度の充実などが含まれる。

  (出典:中国国家知識産権戦略網)

 
中国とEU両局/庁の特許協力条約の国際調査機関試行プロジェクトに関する共同声明

 

  中国国家知識産権局と欧州特許庁は2年を期間とする試行プロジェクトをスタートさせる。当プロジェクトにより、中華人民共和国の国民および居住者は特許協力条約(PCT)に基づいて英語で提出する国際出願において、欧州特許庁を国際調査機関として選択することができるようになる。

  当試行プロジェクトは12月1日に始まる。中国国家知識産権局に対してまたは世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局を受理官庁として提出するPCT出願に対応するものであり、1年目の最高出願総数は2,500件、2年目は3,000件である。

  (出典:中国国家知識産権局ウェブサイト)

 
中国-サウジアラビア特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムが2020年11月1日にスタート

 

  「中国国家知識産権局とサウジアラビア知的財産総局の特許審査ハイウェイプロジェクト」協力協定に基づき、中国国家知識産権局(CNIPA)とサウジアラビア知的財産総局(SAIP)の特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが2020年11月1日にスタートし、2023年10月31日までの3年間を期間とする。

  中国-サウジアラビアPPH試行プログラムがスタートしてからは、SAIP出願人は「中国・サウジアラビア特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラム下における中国国家知識産権局(CNIPA)に対するPPH申請提出のプロセス」に基づいてCNIPAにPPH申請を提出することができる。CNIPA出願人は「特許審査ハイウェイ試行プログラム下におけるサウジアラビア知的財産総局(SAIP)に対する申請提出のプロセス」に基づいてSAIPにPPH申請を提出することができる。

  (出典:中国国家知識産権局ウェブサイト)

 
 
注目判決

 
集佳が代理を務める聖象集団、同一または類似の商品の保護において初めて馳名商標(日本の著名商標に相当――訳注)の司法認定を獲得

 

  このほど、集佳弁護士事務所が代理を務める聖象集団有限公司が第19類「フローリング」に登録した「済象」の商標(「係争商標」)の無効宣告行政訴訟案件について、北京知識産権法院で勝訴判決を獲得。

  事件の概要:

  聖象集団は「聖象」の商標と屋号の優先権を有し、第19類「床板」等の商品において「聖象」シリーズの商標権を有する。原告の「聖象」ブランドは2005年から現在に至るまで繰り返し中国の馳名商標の認定を受けてきた。

  本案件の第19類「済象」係争商標は、2010年5月13日に「木材、ベニヤ板、床木材、積層ボード、合板、床板、建築用木材パルプ板紙、ファイバーボード、レジン複合板、フローリング」等の商品について出願され、2011年5月14日に登録が認められた。当該登録商標の商標権者が実際に使用中に、まず企業が事業内容を変更して品目に「フローリング」を追加、続いて現地で登記した「聖象」という企業屋号を有する関連会社を通じて商標権侵害行為を行った。

  2019年7月5日、聖象集団は国家知識産権局に対し係争商標に関する商標無効宣告請求を行い、国家知識産権局は2020年5月30日に係争商標の登録を維持する決定を下した。聖象集団は集佳弁護士事務所に当案件についての無効宣告行政訴訟を依頼していた。

  法院の認定:

  本件合議庭は、本案件において、2001「商標法」第13条第2項と第41条第2項に基づく当方の主張を支持し、次のように判断した。

  1.聖象集団は2002年に設立され、「聖象」フローリングは継続的使用により知名度を獲得しており、「聖象」の商標が長期的かつ広範に周知使用され、事実上「馳名」の状態に達していたと認めることができる。これにより、2010年の係争商標出願日の前に、「聖象」は「床板、フローリング」商品において馳名商標となっていたことが裏付けられた。

  2.係争商標の登録から5年を過ぎていたとはいえ、係争商標の出願人およびその関連会社は同業種の経営者であり、その実際に使用中の製造・販売の状況および関連する商標民事紛争案件を踏まえると、係争商標の出願人による出願行為は「悪意による登録」に属すると判断できる。

  3.係争商標が登録を許可された第19類「床板、フローリング」などの商品は、引用商標「聖象」が使用を許可された商品と重複するため、こうした商品上における係争商標の登録および使用は、誤認を容易に関連公衆にもたらし、当該馳名商標の商標権者の利益を損なうおそれがある。

  上述により、法院は係争商標の「床板、フローリング」商品における登録・出願が「聖象」の馳名商標の権利を侵害し、「商標法」第13条第2項の規定に違反することを認定した。

  典型事例の意義:

  本案件は民事行政交差下における保護を受ける典型的な商標案件であり、集佳の弁護士は本案件の代理を務める中で、「悪意のある商標登録に対して、馳名商標の所有者は5年間の期間の制限を受けない」という条項について、商標「聖象」がすでに馳名商標となっているという事実状態を十分に立証したばかりでなく、関連する商標民事紛争案件と結び付け、係争商標の出願人が実際に使用中の悪意あるただ乗り行為について重点的に論述し、最高人民法院が関連する判例において明確にした司法精神、北京知識産権法院が同一または類似の商品に適用した2001年「商標法」第13条第2項の規定によって、ついに本案件の一審での勝訴を勝ち取った。

 
 
集佳の最新動向

 
国家知識産権局専利局の初審プロセス管理部の単留兵副部長一行が集佳を視察・指導

  10月10日午前、国家知識産権局専利局の初審プロセス管理部の単留兵副部長一行が集佳の視察に訪れた。集佳の李徳山副所長、専利プロセス部の席兵部長らが心を込めて来賓をもてなし、ディスカッションに参加した。双方は特許出願と審査過程における実務問題について深く意見を交わした。

  単部長は集佳の専利プロセス管理面の活動に肯定的で、さらに代行機関による特許電子出願システムの利用、PCT出願や特許優先審査の取扱い等の業務において遭遇する問題について集佳の関係スタッフの意見を求めた。集佳も専利プロセスに関する多くの要望と提案を伝えた。単部長は「代行機関の意見や提案は初審プロセス管理部の業務改善、専利法実施細則と審査指針の改正と『放管服』改革(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)の深化のためのよき参考になる」と語った。

 
 
集佳シニアパートナーの趙雷弁護士が中国ファッション産業知的財産権大会に招かれ司会を務める

  10月31日、中華商標協会と中国服装設計師協会(中国アパレルデザイナー協会――訳注)が主催し、中国時尚知識産権保護中心(中国ファッション知的財産権保護センター――訳注)が運営する中国ファッション産業知的財産権大会が北京で開催され、集佳シニアパートナーの趙雷弁護士が招かれて出席し、さらに大会の司会者も務めた。

  工業情報化部消費財工業司副司長曹学軍氏、中国服装設計師協会主席張慶輝氏、中華商標協会会長馬夫氏、中国紡織工業聯合会副会長、中国服装協会会長陳大鵬氏ら代表者たちが大会に出席し、挨拶を述べた。中国時尚知識産権保護中心が設立1周年を迎える年にあたるこの大会では、保護中心の活動にもたらした成果を分かち合い、保護中心のこれからの発展計画も発表された。中国国内外から参加した著名なファッショングループ、トップレベルのオンライン・オフラインプラットフォーム、知的財産権保護に携わる権威ある弁護士事務所、ベテランのメディア関係者らゲスト合わせて30余名、ファッション業界関係者150余名が一堂に会し、テーマを共有し、「IP論」など多くのコーナーで、ファッション産業の知的財産権保護における経験と理解を分かち合い、オリジナルファッションブランドがいかにして優れた知的財産権という武器を用いて市場競争力を高めるか、また、いかにして知的財産権の万全な体制を構築して貿易摩擦を解消するか等をテーマに、深く交流し論じ合った。

  今回の大会では中国時尚知識産権保護中心工作委員会(中国ファッション知的財産権保護センター作業委員会――訳注)の設立を宣言し、趙雷弁護士が集佳を代表して中国時尚知識産権保護中心専門家諮問委員会委員機関の招聘状を受け取った。集佳は関係機関と協力し、各界の有識者と共同でファッション産業の知的財産権保護について検討し、ファッション従事者が知的財産権保護意識を高めるよう指導し、中国国内外の権利保護行動を行うよう協力し、中国ファッションブランドの世界進出に協力していく。