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No.196 November.28,2022
 
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目 録
ニュース
中国国家知識産権局による インレンダールム(Inländerrum)などEU製品の地理的表示製品保護申請の受理に関する公告(第506号)
WIPO報告書:昨年、アジアが世界の知的財産権出願件数を過去最高に押し上げる
2021年の中国イノベーション指数が最高値を更新
注目判決
集佳が代理人を務めた「聖象」で区分を越えた「商標の不正利用」登録を阻止、審決取消訴訟に成功
海外OEMにおける商標権紛争の「攻防」
集佳の最新動向
集佳がAsia IP 2022年度中国知的財産権で多数の大賞を連続受賞、多くのパートナーが2022年度「中国知的財産権専門家トップ100」にランクイン
 
 
ニュース

 
中国国家知識産権局による インレンダールム(Inländerrum)などEU製品の地理的表示製品保護申請の受理に関する公告(第506号)

 

  国家知識産権局公告

  第五〇六号

  「中華人民共和国政府とEUの地理的表示の保護と協力協定」《地理的表示製品保護規定》《外国地理的表示製品保護弁法》に基づき、インレンダールムなど175のEU製品の地理的表示製品について、法に基づき保護申請を受理した。形式審査を経て、ここにインレンダールムなど173のEU製品の情報を公示する。オー・メドック(Haut-Medoc)、サン・テステフ(Saint-Estèphe)など2つの地理的表示製品は既に保護されているため、繰り返しの公示はしない。

  インレンダールムなど173のEU製品に対する中国における地理的表示製品の保護について、関係組織または個人が異議を唱える場合は、公告日から2か月以内に国家知識産権局に書面で提出することができる。申請した書類は国家知識産権局知識産権保護司に保存され、審査・調査の参考に供する。

  送付先:北京市海澱区薊門橋西土城路6号 国家知識産権局業務受理大庁(「地理的表示の異議」と明記)

  郵便番号:100088

  電話番号:010-62086534

  付属文書:

  1.インレンダールムなど173のEU製品の受理に関する公示情報.pdf

  2.オー・メドック、サン・テステフなど、EUの地理的表示の保護対象2品目リスト.pdf

  中国国家知識産権局

  2022年12月2日

 
 
WIPO報告書:昨年、アジアが世界の知的財産権出願件数を過去最高に押し上げる

 

  世界知的所有権機関(WIPO)が11月21日に発表した最新の「世界知的所有権指標」報告書によると、2021年の世界の特許、商標、意匠の知的財産権出願件数は、中国、韓国、インドなどのアジア諸国による出願件数の伸びにより、過去最高を記録したことが明らかになった。

  報告書によると、2021年に世界のイノベーターが出願した特許は、前年比3.6%増の340万件であった。アジアの各所轄官庁が受理した出願件数が世界全体の67.6%を占めた。そのうち中国、韓国、インドからの出願件数はそれぞれ5.5%増、2.5%増、5.5%増となった。報告書がまとめた約150の国と地域のデータのうち、中国国家知識産権局が2021年に受理した特許出願件数は159万件で、第1位となった。米国、日本、韓国、欧州の関連機関がこれに続いた。

  このほか、商標出願や意匠出願の件数でも中国が世界1位となっている。

  (出典:新華網)

 
 
2021年の中国イノベーション指数が最高値を更新

 

  中国国家統計局社科文司の「中国イノベーション指数研究」課題チームの試算によると、2021年の中国イノベーション指数は、前年比8.0%増の264.6(2005年を100とする)に達し、16年連続で成長傾向を維持した。

  中国イノベーション指数は、イノベーション環境、イノベーションインプット、イノベーションアウトプット、イノベーション効果の4分野から20の評価指標を測定するとされている。2021年、4分野の指数はそれぞれ296.2、219.0、353.6、189.5に達し、前年比でそれぞれ11.3%、4.4%、10.6%、2.8%の増加となった。このうち、イノベーションの中間成果を反映するイノベーションアウトプット分野の5つの指標では、研究開発人員1万人あたりの専利付与数が16.2%、科学技術活動人員1万人あたりの技術市場成約額が16.2%、企業100社あたりの商標所有件数が13.6%、1万人あたりの科学技術論文数が4.2%といずれも増加しており、特許付与数が専利付与数全体に占める割合は3.5%増加した。

  (出典:中国知識産権報)

 
 
注目判決

 
集佳が代理人を務めた「聖象」で区分を越えた「商標の不正利用」登録を阻止、審決取消訴訟に成功

 

  事件の経緯:

  聖象集団は「聖象」商標および屋号の先行商標権者であり、第19類「床板」などの商品に「」「」の商標専用権を有する。商標「聖象」は1996年から現在まで継続して使用されており、高い知名度と影響力を有するとともに、行政事件と民事権利侵害事件において何度も法律による保護を受けている。

  係争商標は第41類商標「」であり、個人事業主である殷某が2019年6月11日に「教育、幼稚園、文化または教育のための展示会の企画・運営、テレビ娯楽番組、集まり(娯楽)の企画、スポーツ施設の提供、娯楽施設の提供、クラブサービス(娯楽または教育)、休日キャンプ娯楽サービス、フィットネスクラブ(フィットネスおよびフィジカルトレーニング)」などを指定役務として登録出願し、2020年2月7日に登録が許可された。

  係争商標に対する無効審判請求で被請求人に下した裁定において、国家知識産権局は次のように判断した。引用商標は、かつて中国の馳名商標(著名商標に相当)と認定されたが、係争商標が指定する第41類「教育、スポーツ施設、娯楽サービス」などの役務と、「聖象」商標が指定する第19類「床(金属製でない建築材料)」などの商品とでは、機能用途、消費場所、消費対象、役務の目的などにおいて明らかな差異が存在し、係争商標の登録および使用により、公衆に誤認を生じさせて引用商標の権利者の利益を害することはない。したがって、係争商標の登録は、《商標法》第13条3項にいう状況に該当せず、係争商標の登録を維持する。

  聖象集団は無効審決を不服とし、集佳法律事務所に依頼して北京知識産権法院に審決取消訴訟を提起した。本件代理人弁護士は、事件と証拠資料を総合的に分析した結果、次のように判断した。係争商標の登録は、2014年《商標法》第13条第3項の規定に違反する。引用商標は、係争商標の出願日前にすでに著名になっており、係争商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似していないものの、一定の関連性があり、公衆を容易に誤った方向に導く。さらに重要なことは、係争商標の登録者の実体は、同業事業者であって「教育・娯楽」サービスの真の事業主体ではなく、その係争商標の登録出願時に、聖象集団および引用商標を当然知るべきであったという点である。

  法院の判決:

  北京知識産権法院の一審判決:被請求人に対する裁定を取り消し、国家知識産権局に改めて裁定を下すよう命じる。

  典型事例の意義:

  本件の最大のポイントは、馳名商標に対する《商標法》の「必要性に応じた認定、案件ごとに有効」の原則を、集佳の代理人弁護士が深く正確に把握したことにある。同一の商標が他の先行事件ですでに著名と認定されたという先例は、後の事件で必ずしも馳名商標の保護を受けるための当然の理由にはならない。

 
 
海外OEMにおける商標権紛争の「攻防」

 

  先日、集佳が代理人を務めた、商標権の非侵害確認および知的財産権の税関保護措置申請による損害賠償責任に関する紛争について、上海浦東新区人民法院で行われた調停が成立した。この紛争において、集佳は税関による差押えと民事訴訟の両段階に介入し、海外OEM受託者が紛争において守りから攻めへ、受動から主動へと転じることを支援し、最終的にその訴えを実現させた。

  税関による差押えの段階

  攻め ► 国内の商標所有者

  守り ► 海外のOEM受託者(集佳が代理人を務める)

  一.税関段階の事件の経緯

  2021年、江蘇省のS社(仮名)は上海税関に対し、一般貿易方式による照明器具の輸出を申告した。Y社(仮名)は、当該照明器具が、税関総署に登録されている商標権を侵害している疑いがあるとして税関による差押えを申請し、保証金を納付した。貨物の差押えを受け、S社は集佳に支援を求めた。

  資料を読み、S社と連絡を取り合った結果、弁護士は、差し押さえられた商品はすべて海外OEMの形であることを知った。すなわち、国内のS社は海外の商標権者であるチリの会社の委託を受けて関連の照明器具を生産し、かつその書面による授権に従って、チリの会社から提供された商標を製品および外装に付し、製造した照明器具はすべてチリに輸出し、中国国内で販売することはなかった。

  二.対応戦略

  このような税関による差押さえの事件を取扱った経験によると、海外OEMの貨物については、輸出貨物が海外OEMである理由を輸出者が明確に述べることができ、かつ、国外の加工委託者が、到着国での商標登録証書、国内の受託加工者への商標授権書などの資料を提供できる場合、税関は一般的に、権利侵害の有無を認定できないと判断する。弁護士は、S社のために「非侵害状況説明書」を作成し、関連証拠を税関に提出した。最終的に、上海税関は、権利侵害の有無を認定できないとする「輸出入貨物の知的財産権状況通知書」を発行した。

  民事訴訟段階

  攻め►海外のOEM受託者(集佳が代理人を務める)

  守り►国内の商標所有者

  一. 訴訟段階の事件の経緯

  弁護士は、事件の事実関係を整理する過程で、チリの会社がチリやペルーなどの南米諸国で関連商標をかなり以前に登録しており、かつ、中国で委託加工を行っており、Y社の国内登録商標には明らかに模倣の痕跡が存在することに気が付いた。Y社名義の商標データを確認すると、他にも南米の有名照明メーカーの商標と類似した商標を登録していることがわかった。

  二.攻撃戦略

  関係規定によると、税関は拘留した貨物が知的財産権を侵害しているか否かを認定できない場合、差押え申請者が貨物の即時通関許可を確認しない限り、差押えした日から50営業日待たなければならず、法院の執行協力通知を受けていない状況でないと通関は許可されない。差押えまでの手続きの時間と合わせて、ひとたび貨物が差し押さえられると、納期が大幅に遅れることになる。また、S社は今後もチリの会社のOEMを継続する可能性がある。一方、税関の差押さえはS社に損失をもたらすことにもなり、S社はその損失を補填する必要があった。

  このため、S社は、集佳の弁護士と協議した結果、守りから攻めに転じることにし、商標権の非侵害確認訴訟、および知的財産権の税関保護措置の申請による損害賠償責任に関する紛争訴訟を主動的に提起することで、輸出貨物の法的状況が不明であるという現状を解消し、さらに損失を補填することにした。弁護士は、本件に対して多層的な攻撃戦略を立案した。

  (一)商標権の非侵害確認に関する紛争

  1.「海外OEM」を盾とする

  訴訟段階では、原告はまず、輸出した貨物は海外OEMであり、被告の登録商標の専用権を侵害するものではない旨を継続的に主張した。

  2.「先行権利」と「権利の濫用」を矛とする

  最高人民法院による「HONDA事件」の再審判決以降、海外OEMに対する司法見解がいくらか変化し、国内受託者が権利侵害をしているか否かに対する判断の一定の不確実性が増している。原告の主張を補強するために、原告側弁護士は先行権利と権利濫用の観点から次のように主張を強化した。すなわち、被告の国内登録商標の図形部分は、チリの会社が先に著作権を有する著作物であり、文字部分はチリの会社が先に使用した商号と一致するものであり、チリの会社が先行権利を有すると主張した。信義則および最高人民法院第82号指導事例で確定した裁判要点に基づき、原告は商標権侵害を構成しないだけでなく、被告は権利濫用を構成すると判断した。

  3.財産保全を切り札とする

  立件と同時に、原告は、財産保全手続を開始し、法院は被告の銀行預金の一部および税関に納めた保証金を凍結する判決を下した。

  (二)知的財産権の税関保護措置の申請による損害賠償責任に関する紛争

  知的財産権の税関保護措置の申請に関する損害賠償の責任帰属の原則は、司法実務において議論が存在している。《知的財産権税関保護条例》第14条は、権利者が賠償責任を負う前提を「不適切な申請」と規定している。このため、事件において申請が不適切であるか否か、および主観的な過失が生じた時点を考慮しなければならないという見解がある。また、差押えされた貨物が税関や法院で権利侵害と認定されるか否かが重要なのであり、認定されないのであれば、それは不適切な申請にあたるという見解もある。このような司法実務における見解の違いを考慮し、本件弁護士は原告に対し、次のように主張を多層的に進めることを提案した。

  第一段階:商標権侵害がないことが確認される限り、原告の損害賠償請求は支持されるべきであると主張する。

  第二段階:被告の商標権取得は正当とは言いがたく、税関の差押え申請は当初から不適切な申請を構成すると主張する。

  その主な理由は、現行の《知的財産権税関保護条例》第28条がすでに賠償の条件として「税関が、権利侵害被疑貨物が知的財産権者の知的財産権を侵害すると認定できない、又は人民法院が、知的財産権者の知的財産権を侵害しないと判断する場合」としているためである。1995年版の条例における「保護措置を講じることが不適切である場合」は廃止された。しかも、被告はチリの会社の商標を明らかに知っており、その商標登録後に、チリの会社が加工を委託した輸出貨物に対し税関の差押えを申請したことは、当初から不適切である。

  事件の結果

  本件一審の審理過程において、法院が調整を行い、原告と被告との間で調停が成立した。被告は、原告が製造してチリに輸出する照明器具に国外の加工委託者の商標を使用することが、被告の登録商標の専用権を侵害しないことを確認し、かつ原告に対し一定の和解金を支払った。

  本件原告のもう一つの訴えは、今後の海外OEM貨物が差し押さえられることなく、正常にチリの会社に輸出されることを望むものであった。交渉の結果、被告は、調停合意に加え、原告に授権書1部を交付し、原告がチリの会社に輸出し、かつ輸入国と到着国がいずれもチリである商品およびその外装または容器、取引書類、輸出税関資料には、単独で、または組み合わせて関連商標を表示する権利を有することを確認した。

 
 
集佳の最新動向

 
集佳がAsia IP 2022年度中国知的財産権で多数の大賞を連続受賞、多くのパートナーが2022年度「中国知的財産権専門家トップ100」にランクイン

 

  先日、集佳はAsia IPの栄誉ある「中国知識産権大賞(Asia IP 2022 China IP Awards)を受賞した。集佳は「専利訴訟」「専利出願」「商標訴訟」「商標出願」の4つの分野すべてで中国知的財産権年間トップ事務所ランキングに入選し、「北京年間トップ事務所」に選出された。

  また、Asia IPがこのほど発表した2022年度「中国知財専門家トップ100」(the IP Experts TOP100 CHINA)ランキングでは、集佳の李徳山、黄鶯、趙雷、潘煒、鄭毅ら5名のパートナーが、その専門性を生かした優れたサービスおよび国内外の業界と顧客から広く認められていることからトップ100にランクインした。